今では距離を置くことで休戦状態を維持している嫁姑ですが、距離を縮めればまた一触即発状態になることは目に見えています。なぜなら対人関係における義母の言動がまったく理解できないからです。
それを特に強く感じたのが結婚式が終わった直後のこと。
仲人(今は仲人を立てる人もいないでしょうが)になってくれた夫の上司夫妻に謝礼金を渡す際の義母の対応が、若くて世間知らずの私から見ても「ええええええ!?」と思うものだったのです。
昔の結婚式では、招待客を迎える側の新婦や仲人の女性が飲食することははしたないとされていました。新郎や仲人男性は飲食してもとやかく言われないのにね。
その辺りに女性蔑視の価値観が露骨に出ていますよねぇ。
それに、花嫁が豪華なごちそうを食べないまま廃棄すれば、今ならSDGsに反した行為としてすごいバッシングに遭いますよ。
そう考えると、私が若い頃はまさに古き悪しき時代でしたねぇ……(遠い目)
おっと、話を本題に戻してその時の顛末をお話しします。
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結婚式終了までにオレンジジュースを一口飲んだだけの仲人夫人
私と仲人夫人は朝から結婚式が終わる午後の遅い時間まで、オレンジジュースを一口飲んだただけでした。
そのため、新郎新婦と両家の両親が仲人を結婚式上のラウンジに誘い、そこで仲人夫妻に謝礼を渡すことになりました。
で、座席についた直後に私の父が「皆さん、何か軽いものでも食べましょうか?」と呼びかけました。その場にいた全員で軽食やスイーツなどを注文すれば、朝から何も食べていない仲人夫人に気を遣わせることなく軽食をごちそうできるからです。
メニューを開いた瞬間義母が発した言葉に空気が凍り付く
その一言で仲人夫妻や新郎新婦、私の両親、義父がメニューを開いて注文しかけました。
ところが!!!
そこで義母がいきなり大きな声でこう言いました。
「わたしはおなかいっぱいだから何もいらないわ。食べたい人だけで食べてください」
その瞬間、空気が凍り付いて長い沈黙が流れました。
長い沈黙の後口を開いた仲人夫人は「私も遠慮します」
長い沈黙のあと、義母に何か言いかけた義父を制するように口を開いたのが仲人夫人でした。
「あまりおなかすいていないので私も遠慮します」
おそらく、仲人夫人はここで両家が自分に軽食をごちそうすることをわかっていたと思います。しかし、義母の一言を聞いて文字通り遠慮してしまったのでしょう。
仲人夫人の気配りは「焼け石に水」で終わった……
私もその人柄を知る仲人夫人は誰もが認める「気配りの人」です。
おそらく、義父が沈黙を破って義母に何か言えばその場の空気が一気に悪化することがわかっており、あえて義父より先に「遠慮します」と言ったと思われます。
しかし、すでに義母の爆弾発言でその場の空気は悪化していたので焼け石に水で終わった印象はぬぐえず。
あとはなんとなく気まずい雰囲気のまま、誰も何も注文しないまま両親が謝礼を渡してその場は解散となりました。
解散後、私の母が私に
「あんた前途多難だね。なんであんな家の人と結婚したの?」
とささやきました。
その言葉は現実となり、その後数十年の嫁姑バトルが繰り広げられました。
今でも実母はその日のことを根に持っている
ところで、この話には後日談があります。
私の母が今でもその日のことを根に持っており、今でも私に
「なんであんな非常識な家の人と結婚したの?」
「私は結婚に反対したのに」
「あの男(夫)はろくでなしだ」
とネチネチ言うんですよね。
私としては「今さらそんなことを言われてもねぇ」なので適当に流していますが……
昔から異常なまでにマナーに厳しかった母には、義母のふるまいは未来永劫決して許すまじマナー違反に映るんでしょうね。
私からすればそれもどうかと思いますが、あの日義母の一言がその場を凍り付かせたことはまぎれもない事実でもあり。
今もそのことを思い出すとモヤモヤした気持ちになる私です。